「スーパーフロテックアンカー」とは
概要
「スーパーフロテックアンカー」の特長と構造
- 機能性
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- ・使用用途に応じて頭部構造を選択可能
- ・グリットによる優れた付着性
- 耐久性
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- ・耐食性に優れたECFストランドを使用
- ・水密性に優れた止水構造
- 施工性
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- ・シンプルな構造で現場加工が容易
- ・現場での長さ変更に対応可能
フロボンド(付着型ECFストランド)の特長
フロボンド(付着型ECFストランド)は、JISで規定されたPC鋼より線に耐食性の極めて優れたエポキシ樹脂をピンホールがない十分な塗膜厚(0.4〜1.2mm)で被覆し、さらにグラウトとの付着性向上のためエポキシ樹脂被覆表面にグリット(けい砂などの不活性粒子)を埋め込んだ土木学会規準(案)で規定された引張り材です(JSCE-E 141、ASTM A882、ISO14655に準拠)。その防食性能は、耐薬品性試験や塩水噴霧試験などで確認されており、土木学会規準(案)ではエポキシ樹脂を用いた高機能PC鋼材を使用するPC構造物の設計耐用年数は100年とされています。
主なデータ
- 塩水噴霧試験:3,000時間発錆なし
- 地中曝露試験:14年間発錆なし
- 耐複合サイクル防食性試験:6ヶ月発錆なし
(NEXCO試験方法 試験法 403-2012) - グラウトとの付着力は普通PC鋼より線と同等以上
頭部構造の特徴
頭部構造は、標準タイプ、簡易調整タイプ、荷重調整タイプの3種類があり、維持管理する頻度や荷重調整量、保全対象の重要度等を総合的に判断し選択します。
- ※シムの調整量(高さ)は、アンカー長や定着荷重などの状況に応じて変更可能です。
「スーパーフロテックアンカー」の適用
「スーパーフロテックアンカー」は、斜面安定、擁壁の補強、吊構造物の反力および構造物の安定など、様々な用途に適用されていますが、以下に示す工事においては、特に優れた特長を発揮します。
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①供用期間中に荷重調整を行う場合
アンカーの残存引張り力は、アンカー施工後に変化します。供用期間中にアンカーの性能が低下する恐れのある場合は、残存引張り力の調整を行う必要があります。
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②施工中にアンカーの長さを変更する恐れがある場合
現場組立においても品質の高いテンドン製作が行えるため、地盤に適した長さのアンカーが組み立てられます。
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③テンドン挿入後にグラウト注入を行う必要がある場合
テンドンに注入ホースが標準装備されているため、 テンドン挿入後に孔底からグラウトを充填することが可能です。
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④海岸沿いなどの高腐食条件下で使用する場合
耐食性、水密性に優れるため海岸地域など、腐食環境が厳しい環境でも適用可能です。耐水圧が0.3MPa(水深30m程度)を超える場合は、高水圧仕様となります。事前にご相談ください。